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上海の繁華街を歩くと、店の看板に次のような文字が並んでいます。
银行
yínháng
銀行
药店
yàodiàn
薬局
「行」と「店」は、日本の漢字とまったく同じ形です。「银」は「銀」の左側が、「药」は「薬」の下の部分が、見慣れない形に変わっています。まったく読めない字が並んでいるわけではなく、日本の漢字と同じ字の中に、形の違う字がところどころ混ざっているだけです。
中国大陸で使われる漢字は、簡体字と呼ばれます。日本の漢字と形が違う字があるため、中国語の学習の障害と考えられがちですが、日本語話者にとっては大きな利点です。日本語話者は、すでに2,000字前後の漢字を知っています。必要なのは、ゼロから字を覚えることではなく、知っている漢字を簡体字に対応させる、いくつかの規則を知ることです。
この本は、単語を覚える本ではなく、字を読めるようになるための本です。簡体字ができた経緯、略し方の規則、読み方を推測する方法、日本語話者が読み間違えやすい字を順に学び、最後に上海の看板・メニュー・駅の表示・スマートフォンの画面で練習します。読み終えるころには、初めて見る簡体字の多くについて、もとの日本の漢字と意味を推測できるようになります。
「ゼロから始める中国語」シリーズの5冊目として、この本では字の形と意味に集中します。ピンインと声調は1〜4巻で学んだとおりに付けますが、この本の練習では、発音よりも「この字は日本のどの漢字にあたるか」を判断することを優先します。