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上海の地下鉄に乗ると、駅名の表示に漢字とアルファベットが並んでいます。
徐家汇
Xújiāhuì
徐家匯(シュージアフイ)駅
この Xújiāhuì を日本語のローマ字の感覚で読むと、「クスジアフイ」のような音になります。実際の発音は「シュージアフイ」に近く、しかも最初の u は「ウ」ではなく、唇を丸めた「ユ」に近い音です。アルファベットで書かれていても、日本語のローマ字とも英語とも違う規則で読むからです。
この表記がピンイン(拼音 pīnyīn)です。中国語の発音をアルファベットと声調記号で表す公式の表記法で、駅名や地図、辞書、スマートフォンの文字入力など、中国語のあらゆる場面で使われています。
この本の目的は、ピンインを見れば読み方が分かる状態を作ることです。初めて見る語でも、綴りから発音を正しく組み立てられるようにします。ピンインの規則は多くありません。声母(子音)の表、韻母(母音)の表、声調記号を付ける位置、いくつかの綴りの規則です。これらを順に整理すれば、どの語のピンインも読めるようになります。
題材には、上海の地下鉄の駅名と、食堂のメニューを使います。『はじめての中国語』で訪れた上海の街を、今度は看板のピンインを読みながら歩きます。
「ゼロから始める中国語」シリーズの3冊目として、この本は表記の規則に集中します。そり舌音の舌の構え方や声調の出し方など、実際に音を出す練習は、次の『中国語発音入門』で行います。この本で「どの音を出すべきか」を綴りから特定できるようにしておくと、次の本での発音の練習が進めやすくなります。